こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか?
今日は、アメリカの学校から推奨されている「読書」についてお話します。
読書習慣がしっかりついていないことで出る影響や、アメリカの子どもたちに人気の本をご紹介します。
本をお探しの方に少しでも参考になると幸いです。
みなさまにとってよい本との出会いがありますように。
アメリカで推奨される「読書習慣」
アメリカで小学校2年生の息子ですが、学校から強めに推奨されている学習として
読書習慣をつける
というものがあります。
アメリカのみならず、読書がとてもよいものであるのは万国共通のことだとは思いますが、私はアメリカで正直ここまで読書というものを小さい頃から熱心に勧めているというのは少々意外に感じました。
息子の場合、小学校1年生に入ってすぐから
毎日20分以上の読書をする、という宿題が出ました。
低学年のうちから習慣をつけるということですね。自分で読んでもいいし、人に読んであげてもいいし、読めない本なら保護者に読んでもらうというものです。
アメリカの読書は「英語」の科目としての位置づけになるので(日本の「国語」にあたります)、英語の宿題ということになります。日本では文字を書くという宿題が多いですが、書く宿題というのは一切なく読むにフォーカスされているのが印象的です。
なぜ読書が重要なのか?
少し前までは、算数が好きで英語が苦手な息子には、好きな算数を伸ばしていけばいいのかなと思っていました。
ですが、違いました。
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息子は小学校2年生ですが、例えば今の英語のクラスではこんな内容をしています。
短いストーリーを読んだあとに、
・あらすじをまとめる
・登場人物を書き出す
・問題点とその解決法が何だったのかを伝える
・このストーリーから今まで読んだ本の中で共通点を伝える(text-to-textと呼ばれるもの)
といったことをしています。
これは、シンプルなストーリーでも流し読みをしていると答えられないのです。
息子はこれが苦手で、他のことを考えていてあらすじが言えなかったり、ストーリーが本当に伝えたいことが何かがピンとこないことが多いです。
これは、算数の文章問題でも言えることで、息子は数字だけを見て「引き算の問題なのに足し算してしまった」ことが何度かありました。
つまり英語を読んで理解してなかったのです。
このように、読解力というのは他の教科にも影響してくるのです。
そして読解力は読書をすることで身につきます。
また、あらすじをまとめるというのは、相手にとってわかりやすく簡潔に伝える訓練をするということにも繋がり長い目で見て重要なスキルになってきます。
読書をする=英語の授業のため、だけではないのです。
本を探そう
ゲームやYouTubeで簡単におもしろいコンテンツが得られる現代は、読書に目が向きにくいのは事実です。
大人も同じですよね。
おもしろい本に出会うことが読書習慣がつく1番のきっかけだと思います。
アメリカの家族が好きな本や学校の図書館ボランディア、ブックフェア(学校の寄付イベント)を通してアメリカの子どもたちが一度は手に取るであろう人気本を紹介します!
これからアメリカにいらっしゃる方は何冊か読んでおくと、先生に「何の本が好き?」と聞かれたときに答えやすいと思います。(実はこの質問とても多いので!ちょっと焦りました。)
また日本にいらっしゃる方も、アメリカの子どもたちが読んでいる本を読みたいなという方はぜひチェックしてみてください。
アメリカの本の種類別呼び名
日本でいうところの、漫画・小説・絵本などといったカテゴリーですが英語にも呼び方がそれぞれあります。
息子くらいの年齢になると、
「チャプターブックを読んだらいいね。」
「うちの子はチャプターブックを読みはじめたよ。」
など、チャプターブックという言葉を聞くようになります。
チャプターブックって何?
チャプターブックとは、章に分かれている本のことです。絵が少ないことが特徴です。
1cmに満たない薄い本になっている事が多く、シリーズのものがたくさんあります。
代表的なものだと、FlatStanley、Busybody Nora、マジックツリーハウスなどです。
フラットスタンレーはぺちゃんこのスタンレーくんがいろんなところに行き、いろんな経験をするというシリーズ本なのですが、私達がまだ日本にいた時にアメリカにいる姪っ子からぺちゃんこのスタンレー(人形の形をした紙)が送られてきて、「スタンレーが日本でした経験を写真に撮って送って!」とお願いされました。学校の課題だったようです。クラスでスタンレーがどこに行ったのか大きなポスターにしたようですよ。
マジックツリーハウスはアメリカでは知らない子はいない人気シリーズです。
薄くて小さいので持ち運びしやすいです。グレーでざらついた紙のことが多いです。
学校の図書館ボランティアでも役立つ!本の呼び方まとめ
本の呼び方のまとめです。チャプターブックだけでなく他のカテゴリーの呼び名を知っておくと何かと便利です。
★のものは特によく聞くワードです。
★picture book | 絵本 |
★chapter book | 章に分かれている小説 |
★graphic novel | 漫画 |
autobiography | 自叙伝 |
myths | 神話 |
biography | 伝記 |
tall tales | ほら話 |
poetly | 詩 |
realistic fiction | 本当の話ではないが、起こりえるような話 |
historical fiction | 昔の実在するある時代を背景にした作り話 |
informational | 実際のデータを用いた本 |
nonfiction | 本当の話 |
ざっくりとしたカテゴリーだと、フィクション・ノンフィクションで分かれていることもあります。
細かいものはまだありますがひとまずこれだけ知ってればOKです。
漫画をグラフィックと呼ぶのは意外ですよね。
キンダーガーデンから小学生におすすめの本
キンダーガーデンに人気の本
日本の年長にあたるキンダーガーデンはアメリカで義務教育の最初の年です。(地域によって異なりますが大部分がそうだと思います。)
キンダーでABCを習うので、まだ自分で本を読めないことも多いです。
(日本でもひらがなの進み具合が異なるように、アメリカでも簡単な文章を読める子もいるので少し個人差があると思います。)
保護者の読み聞かせが中心という方がほとんどではないでしょうか。
本格的な集団での生活がスタートする時期なので、お友達にどう接すればいいのかを考えるような内容や、あなたは特別な存在なんだよ、と伝えるような題材はよく読まれます。
この、We Don’t Eat Our Classmates という本は、小さな怪獣が学校に行ってクラスメイトがおいしそうだからと全員食べてしまうのですが、金魚に手をかまれたときに初めてみんなの気持ちがわかった、というようなものです。されたくないことは相手にもしないようにしよう、というメッセージが込められています。
図書館ライオンやどろんこハリーは日本でもおなじみですね。
Curious George(おさるのジョージ)は1冊のお話が短いので、寝る前の読み聞かせにもぴったりです。いつも同じ出だしで安心するし、毎回ジョージの好奇心が騒動を起こすのですが結果的によい結果をもたらすというオチも毎回のことで心が温まります。同じ表現がよく出てくるのでお話上手になるかもしれません。
キンダーに入る前の読み聞かせでも人気なのは、Dr.Seussです。
韻を踏んだ言葉遊びが得意です。正直、英語が母国語じゃないと読み聞かせはしんどいかもしれませんがアメリカでは知らない人がいないほどとても有名なシリーズです。
息子が生まれたときに義父が日本に送ってくれました。
Dr.Seussの本がファーストブックという子供も多いと思います。
小学校低学年に人気の本
小学校1年生になったころから、読書が好きな子はチャプターブックを読みはじめます。ですがタイミングはそれぞれです。
学校の教室には本棚があり(学級文庫のようなもの)アルファベットが若い順にレベル分けされていました。先生からアルファベットでどのレベルかを教えてもらい、そのアルファベットのグループの本を借りられるシステムでした。
学校の図書館でももちろん本を借りることができます。日本と同じですね。
このブタちゃんとぞうさんが表紙の本はとてもよく見かける本で、一度は手に取る本だと思います。Elephant & Piggie シリーズと呼ばれます。簡単なので一人読みのスタートにぴったりです。
男の子に人気なのはDog Manという本。アマゾンでもレビュー数がすごいです。グラフィックノーベル(漫画)なので読みやすいんでしょうね。息子もよく借りていました。
チャプターブックを読み始める子は、フラットスタンレーやマジック・ツリーハウスを手に取ります。
マジックツリーハウスが一人で一冊読めたら、達成感を感じると思います。
1冊からでも買えますし、人気シリーズなので図書館にもたくさん置いてあります。
ナショナルジオグラフィックkidsは事実ベースの内容なので、「知る」ということを純粋に楽しめる本でおすすめです。友達にドヤ顔で「知ってた?」と言えるかも?!
日本だと、ざんねんな生き物図鑑という本が人気ですが、生き物を取り扱っているので同じような内容もあります。
写真が多く読みやすく読みごたえがある図鑑のような存在なので、買って家に置いておいてもよい本だと思います。
本屋さんや図書館では、裏表紙に本のレベルが書いてある本もあるので、参考にしてみてください。

小学校中学年以上に人気の本
このあたりになると、読書が好きなことそうじゃない子で読む本にバラツキがでてきます。
高学年では分厚いハードカバーのチャプターブックを読む子も出てきます。
人気シリーズはこのあたり
Baby sitter’s club 累計1億7,600万部を売り上げたシリーズ本。
漫画で読みやすいです。姪っ子がハマっているシリーズです。
こちらはpaperbackです。
こちらは、Raina Telgemeierさんのシリーズでカラー表紙に絵文字がついているのが特徴シリーズです。
NY Timesのベストセラー、他の賞も受賞している人気シリーズです。こちらも漫画になっています。
著者のReinaさんは上のbaby sitter’s clubのイラストも関わっているので似たタッチだと感じるかもしれませんが内容は異なります。
身近にある出来事を通しての感情表現が豊かなシリーズで、私もつい読んでしまいます。
こちらも姪っ子がハマっていました。
上の2つは本当によく見かけるのですが、漫画じゃなくチャプターブックを読ませたいという方も多いと思います。
挿絵が多めなチャプターブックならこちら。男の子に人気のThe Last Kids in Earthです。
本屋さんでも目立つ場所に置いてあります。息子もこの間本屋さんでパケ買いしましたが小学校4年生くらいなら読めるのかなという内容なのでしばらく寝かせておきます。
このあたりも有名です。アマゾンレビューをみてお子様にあっている本かチェックしてみてもよいかも。
高学年になるとハリーポッターを読む子が増えます。小学生でここまで読めたらすごいなと思います。
キンダーから小学生までのおすすめの本たちでした。
子供を読書好きにさせるには大人が読書する姿を見せるのがよいと言われています。
ぜひ親子で読書をおたのしみください。